建設工事用仮設構造物の機材の認定・使用基準等の設定及びそれらの周知、試験、技術的指導等に関する一般社団法人です。

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Q&A

技術基準

Q (3月1日)防音シートの認定基準が制定されましたが、以前から認定されている防音パネルと防音シートの防音性能は同じなのでしょうか?
A

 防音シートと防音パネルに要求する防音性能は次表のとおりで、防音シートに要求される音響透過損失は防音パネルの半分程度となっています。
 適切な騒音対策を講ずるためには、騒音に対する法律や各都道府県による条例で定められた規制基準を遵守するために適切な機材を選定することが必要です。

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《参考》
音響透過損失:防音材料の遮音性能。「材料に入射した音のエネルギー(dB)と材料を透過した音のエネルギー(dB)との差」で表されます。この値が損失する音の大きさを示すので、値が大きいほど透過音が小さくなることを意味します。
例えば足場内部で発生している騒音が100dBあった場合、防音シートでは92dB、防音パネルでは82dB(500Hz)まで低減されるという意味になります。
(透過:光線などが物質の内部を通りぬけること)

Q親綱支柱を使用する際に、鉄骨の傷を防止するためゴム等を挟んで取付けたいのですが問題はないでしょうか?
A

 親綱支柱の認定検査ではH形鋼(ジグ)に直接取り付けて使用することを前提に落下阻止性能試験を行っています。このため、物を挟んで取付けた場合の性能は検証されていません。したがって物を挟んで使用する場合は、認定品としての性能が保証できませんので、別途安全性を確認する必要が有ります。 

(写真は認定試験における取付例)
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Q金属製足場板の認定基準の[適用]の解説に「認定基準は主として建築工事に用いるものに適用し、土木工事用は対象から除外される」とありますが、どのような意味でしょうか?
A

 通常の足場では金属製足場板をかけ渡すスパンは労働安全衛生規則により1.85mが最大ですが、土木工事に使用する場合は1.85mを超えてかけ渡す場合が有り、そのような用途で使用するための専用の金属製足場板は認定基準の適用を受けないという意味です。土木工事用の足場板の中には通常の足場用のものよりも強度が高いものがあり、メーカーでは長い金属製足場板でも2点支持で使用できるとアナウンスしている場合もあります。このような金属製足場板は製造者が安全性の確認をしたものを使用をする必要が有ります。
(写真はロングスパン用の例)
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Q移動式足場に控え枠(アウトリガー)を使用して高さ計算をした場合、移動時の安定性はどのように考えたらよいでしょうか?
A

 移動式足場の高さ(H=7.7L-5)は移動時の安定性を確保する目的で算出します。
控え枠使用により計算して高さを増やした場合、そのままの高さで移動するには控え枠を機能させたまま移動できるようにするなどの条件が必要となります。

Q移動式足場を標準わく、簡易わくで組んで使用してもよいでしょうか?
A

 厚生労働省から公示されている「移動式足場の安全基準に関する技術上の指針」(昭50.10.18 技術上の指針公示第6号)は「移動式足場用の建わく」を使用する前提ですが、標準わく、簡易わくを使用した場合、仮に移動中の安定性を求める計算式
《H=7.7L-5》(H=高さ、L=狭い方の主軸間隔)に当てはめると
◎幅900mmの標準わくを使用した場合はH=1.93m、
◎幅700mmの簡易わくを使用した場合はH=0.39m
となり、特に簡易わくは移動式足場として不向きであることがわかります。

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Q枠組足場の根がらみ設置において、枠面方向(梁間方向)の設置を省略できる条件はありますか?
A

 足場の根がらみは滑動防止及び沈下防止のために設置します。したがって根がらみを省略する場合は、これに代わる何らかの方法で滑動及び沈下に対する防止策がとられなければなりません。
 一般的な設置方法から考えられる方法は、以下の①または②を実施することです。
これらは桁行及び枠面方向に共通の対策です。

①敷板を並べて、その上にジャッキ型ベース金具を設置し釘止めをする。
②脚柱(建地)同士を単管等で連結する。

 このとき①のようにジャッキ型ベース金具を釘止めした場合には②の代わりとみなすことができます。
また、最近は見かけませんが、次図のような脚柱の最下端を横桟で連結した簡易わくもこの役目を果たすといえます。
このタイプではここに作業床を架け渡すことにより最下段で地盤上を歩くときに根がらみが障害になることを避けられます。
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≪参考:労働安全衛生規則/抜粋≫

第四款
鋼管足場
第五百七十条
事業者は、鋼管足場については、次に定めるところに適合したものでなければ使用してはならない。
   一 足場(脚輪を取り付けた移動式足場を除く。)の脚部には、足場の滑動又は沈下を防止するため、ベース金具を用い、かつ、敷板、敷角等を用い、根がらみを設ける等の措置を講ずること。 (以下、略)

Qくさび緊結式足場用ねじ管式ジャッキ型ベース金具の最大使用高さは350mmを超えても問題はないのでしょうか?
A

 枠組足場に使用されるジャッキ型ベース金具の最大使用高さは、厚生労働大臣が定める規格で350㎜以下となっています。
しかし、くさび緊結式足場用のねじ管式ジャッキ型ベース金具の最大使用高さは、認定基準において500㎜以下となっています。
 これは以下の理由により、くさび緊結式足場用ねじ管式ジャッキ型ベース金具が厚生労働大臣が定める規格の適用を受けないからです。

鋼管足場用の部材及び付属金具の規格(昭和56年労働省告示第百三号)が適用されるジャッキ型ベース金具は、次のとおり、各規定の内容から明らかなようにわく組足場用のものとなっています。 

(1) 「構造」の規定の中に「わく組足場用の建わくの脚柱に差し込むことができる部分の長さが95㎜以上であること。」とあり、「わく組足場用の建わく」を念頭においた規定になっていること。(第74条第2号)

(2) ジャッキ型ベース金具の圧縮試験において使用される鋼管B(ジグ)は、外径が42.7㎜で長さが1700㎜であることから、建わくの脚柱を念頭においた鋼管ジグとなっていること。(第75条の図並びに同条第2項に係る別表11のイの(3)

(3) ジャッキ型ベース金具の表示事項として、「わく組足場用のものである旨(低層わく用のものにあっては、その旨)」を表示することになっており、明らかにわく組足場に限定される規定であること。(第77条)

 したがって、くさび緊結式足場に使用されるねじ管式ジャッキ型ベース金具は、厚生労働大臣の定める規格の適用は受けず、一方仮設工業会の認定基準においては使用高さを500㎜以下としております。

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Q枠組足場用のジャッキ型ベース金具として使用高さ500mmのロングジャッキは使用できますか?
A

枠組足場の最下部に使用するジャッキ型ベース金具は厚生労働大臣の定める構造規格により「最大使用高さ350mm以下」とされています。したがって「最大使用高さ」が500mmになるものは構造規格違反になります。
 また、ジャッキ型ベース金具はハンドルの繰り上げ高さにより許容支持力が下表のように変化します。
 これらの理由で「最大使用高さ500mm」のものはジャッキ型ベース金具とは呼べないもので、枠組足場最下部以外で使用しなければなりません。


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Qくさび緊結式足場の技術基準では、足場の高さ45mまでになっているが、このとき建地の最高部から測って31mを超える部分の建地に2本組みは必要ないということでしょうか?
A

 平成26年(2014年)12月に改訂したくさび緊結式足場の技術基準では、足場の適用高さを31mから45mに変更したましたが、くさび緊結式足場は労働安全衛生規則第571条第1項第三号の規定の適用を受けるので、建地の最高部から測って31mを超える地上までの建地を2本組することが原則です。
 ただし、平成27年(2015年)7月の労働安全衛生規則改正により上記の建地の2本組は設計荷重が建地の最大使用荷重を超えない場合には不要とされました。

【労働安全衛生規則から抜粋】
(令別表第八第一号に掲げる部材等を用いる鋼管足場)
第五百七十一条  事業者は、令別表第八第一号に掲げる部材又は単管足場用鋼管規格に適合する鋼管を用いて構成される鋼管足場については、前条第一項に定めるところによる ほか、単管足場にあつては第一号から第四号まで、わく組足場にあつては第五号から第七号までに定めるところに適合したものでなければ使用してはならない。
 建地の間隔は、けた行方向を一・八五メートル以下、はり間方向は一・五メートル以下とすること。
 地上第一の布は、二メートル以下の位置に設けること。
 建地の最高部から測つて三十一メートルを超える部分の建地は、鋼管を二本組とすること。ただし、建地の下端に作用する設計荷重(足場の重量に相当する荷重に、作業床の最大積載荷重を加えた荷重をいう。)が当該建地の最大使用荷重(当該建地の破壊に至る荷重の二分の一以下の荷重をいう。)を超えないときは、この限りでない。
四 建地間の積載荷重は、四百キログラムを限度とすること。
(以下、省略)

Qくさび緊結式足場は、組立て高さが45m以下でないと使用できないのでしょうか?
A

 本会発行の「くさび緊結式足場の組立て及び使用に関する技術基準」では、第1章「2.定義」において、ビル工事用くさび緊結式足場とは、「くさび緊結式足場のうち、ビル工事等の建築、補修及び解体工事等に使用されるもので、高さ45m以下で使用する本足場をいう。」となっています。また、当該技術基準の第1章「1.適用」の解説には、「④本基準の対象外」として「・・・本技術基準を遵守した組立て方ができない場合は、別途強度計算又は試験等により安全性を確認し、かつ、作業時の安全性に留意して組立てなければならない。」とあります。
 一方、労働安全衛生規則には、足場の組立て高さの限度についての規定はなく、同規則第571条第1項第3号には、これと同じ考え方が示されています。
 したがって、本技術基準の組立て高さを45m以下とする記述は、原則を示したものであり、45mを超えて使用する場合には、法令を遵守したうえで、本会のシステム承認の際に行った試験結果により認められた各メーカーが定める許容荷重等を踏まえ、安全性を確認した上で使用することについては差し支えありません。

Qくさび緊結式足場の壁つなぎの垂直方向の取付間隔について「5m以下ごと」と「2層以下ごと」のどちらにすべきでしょうか?
A

 労働安全衛生規則第570条第1項第5号には単管足場の壁つなぎの垂直方向の間隔は5m以下と定められています。くさび緊結式足場は法規上単管足場の適用を受けるため「5m以下ごと」はこの根拠によるものです。
 一方、一般的に足場の壁つなぎは支柱と腕木の交点付近に取り付けることが重要です。これは、風荷重が作用した時、壁つなぎから支柱に水平力を受けるため、腕木と離れた位置に壁つなぎがある場合には、支柱に局部的な曲げが働き、支柱の鉛直荷重に対する強度が低下する懸念があるためです。
 くさび緊結式足場では通常1層の高さが1.8mのものと、1.9mのものがありますが、いずれの場合も、3層分の高さは5mを超えます(1.8m×3=5.4m、1.9m×3=5.7m)。
このため壁つなぎを5mごとに設けると壁つなぎの位置が層の中間(腕木と腕木の間)になってしまいます。
 したがって、労働安全衛生規則を遵守した上で、壁つなぎを支柱と腕木の交点付近に取り付けると2層ごとに設けることが必要となり、また、この間隔は一般的な風荷重を考慮した場合についても妥当な間隔であるといえます。

Q親綱支柱の認定では支柱用親綱としてワイヤーロープを使用して試験を行っているが、現場でもワイヤーロープを使用してよいですか?
A

水平親綱システム(親綱支柱、支柱用親綱(繊維)、緊張器)の認定試験では親綱としてワイヤーロープを使用して落下阻止性能試験を行います。これは親綱支柱に一定の負荷をかけることで安全率を確保するためです。実際に繊維ロープを使用することで親綱支柱にかかる負荷をなくし、安全率を確保することができるのです。認定品の水平親綱システムでは支柱用親綱に繊維ロープを使用して下さい。

Q枠組足場用手すり枠又はくさび緊結式足場用先行手すりは作業時に安全帯のフックをかけても問題はないですか?
A

枠組足場用及びくさび緊結式足場用の先行手すりの認定基準では手すり(水平部分)に安全帯フックをひっかけた状態で落下させる落下阻止性能試験を行って、安全性を確認しています。したがって認定品であれば安全帯のフックをかけて使用することができます。

Q壁つなぎ用金具の検討において、許容支持力30%増としてよい場合とその理由を教えてください。
A

割増できるのは荷重の主体が風荷重のみの場合です。風荷重については、足場に対し常時作用するものではなく、短期(瞬間的)荷重であると考えられます。このことから、壁つなぎに作用する荷重の主体が風荷重のみの場合においては、許容支持力を割増しすることが可能です。

Q一般的に仮設機材における安全率を2としている根拠を教えて下さい。
A

労働安全衛生規則第241条では、型わく支保工の許容応力の値について「鋼材の許容曲げ応力及び許容圧縮応力の値は、当該鋼材の降伏強さの値又は引張強さの値の四分の三の値のうちいずれか小さい値の三分の二の値以下とすること。」とあります。これらを材料の種類に応じて計算してみると、許容応力は、ほぼ引張強さに対して、2.0~2.5程度の安全率となります。
仮設機材はこれに基づき、安全率を2.0~2.5程度と定めています。

Q風荷重の瞬間風速分布係数における、地域区分は主観によるものでよいのでしょうか?
A

日本建築学会「建築物荷重指針」の「第6章風荷重」に地表面粗度区分が写真入りで説明されています。なお、判断が困難な場合は、不利な側(値の大きい)の地域区分を用いるとよいでしょう。

Q風荷重の検討について、足場高さが地上から100mを超える場合には、どのように計算したらいいですか?
A

100mを超える場合については、当会「風荷重に対する足場の安全技術指針」の適用外となるため、計算方法に定めはありません。
しかし必要な場合は以下の2つの算出方法があります。
①上記指針に示す瞬間風速分布係数Sを求める「S=G・E」により、新たに計算することも可能。しかしながら、この方式は100mを少し超える程度であれば誤差はないと考えられるが、200m超となる場合には推奨できない。
②本設構造物の風荷重計算(日本建築学会「建築物荷重指針」)を参考にする方法。

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